50~60代の住まい購入のポイント

住まいの購入について話し合う50代夫婦
家を買うタイミングとして、50代~60代は「遅い」というイメージがあるかもしれません。確かに、住宅ローンを組むことを考えると不利な面は出てきそうです。しかし、もちろん買えないということはありませんし、この年代での購入メリットもあります。そのあたりのポイントを見ていきたいと思います。

子供が独立したタイミングでの購入のメリット

50代~60代は、一般的に子供が独立して夫婦が二人になる時期と重なります。このタイミングで住まいを買うメリットとしては、以下の点が考えられます。

 

相続を見越した不動産の購入ができる

コンパクトな部屋でよいので購入価格が低くなる

収支計算が容易にできる

 

まず、将来的に相続を見越して不動産購入ができます。そもそも、不動産は資産を現金で持っているよりも、相続時の評価額が7~8割程度まで下がります。一方、売却時は時価で売却できるので、単純に相続の評価額が下がった分は節税になるというわけです。

 

また、子供が独立して夫婦二人暮らしになると、コンパクトな部屋で十分です。例えば、子供が三人いる状態なら、4LDKなど、割と広めの家に住んでいることが多いでしょう。しかし、そこに夫婦二人で住むとなると、掃除も大変ですし、部屋が余りもったいない状況が生まれます。

 

不動産の固定資産税は広さも関係してくるので、利用しない部屋や空間があるということは、そこに発生する固定資産税が無駄になっているのです。そのため、夫婦二人に合ったサイズの、コンパクトな住まいの購入はその分のメリットが生じると言えるのです。

 

さらに、50代~60代の場合には、収支計算が20代〜40代と比べて容易です。そもそも、収支の中で最も読みにくいのが、子供にかかる教育資金になります。子供の数によっても一千万単位で変わってきますし、子供を大学まで行かせるか、私立か公立かによっても支出額は大きく変わります。

 

50代~60代の場合には、そのような教育資金はほぼ支払い済みなので、将来的な支出額がわかりやすいのです。さらに、定年退職の年齢、退職金、今後の収入額なども読みやすいため、収支計算がしやすくより適切な予算を立てられます。

新たに住み替えをするメリット

住み替えを考える60代の老夫婦

50代~60代で新しい家に住み替えるメリットは、以下のような年齢に合わせた住環境を選ぶことができる点です。

 

バリアフリー

医療施設が充実

子供の住まいに近い

交通の便がよい

 

50代~60代での住み替えは、将来的な居住空間に手すりや、段差が少ない部屋など、バリアフリーの観点で住まい探しができます。また、今後は医療施設に行く回数も増えていくかもしれないので、近くにクリニックがあり、大きな病院へも行きやすいなど、年齢に応じた周辺環境を選ぶこともできるのです。

 

さらに、子供が独立して家庭を持っていたら、子供たちの住まいに近い場所に住むことで、今後のコミュニケーションを取りやすくすることも可能です。

 

また、50代~60代は仕事を退職する時期に差し掛かるので、毎日通勤のために駅まで行く必要がなくなります。つまり、今までは「○○駅徒歩圏内」や「○○沿線」などが重要な住まいの選択軸だったのが、それを除いて考えられるようになります。

 

このように、50代~60代での住み替えは、老後を見越した住まい探しができる点が大きなメリットと言えるでしょう。

ライフスタイルが変わる点に注意

50代~60代で住まいを選ぶ時には、ライフスタイルが変わることを意識しなければいけません。つまり「老後」を視野に入れた物件選びをする必要があるとうことです。

 

これまでは車移動が多かったとしても、今後は車を手放すことになるかもしれません。また、通勤での往復がなくなる一方、医療施設に行くことが多くなるかもしれません。このように行動範囲や行動内容、毎日の過ごし方がどのように変わるのか、具体的に把握する必要があります。

 

一方で、退職後は収入額が減るケースがほとんどなので、その点を見越して予算を立てましょう。子供の養育費・教育費は既に考えなくていいので、資金計画は立てやすいと言えます。ローンを組む年数も限られるので自己資金が多くなると思いますが、その自己資金額も収支計算をきちんと行った上で計上することが重要です。

 

このように、50代~60代はライフスタイルがガラリと変わるので、その点を加味して住まい購入を考えましょう。

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