購入時に考えるべき「住まいの将来性」とは

おしゃれな一戸建てのイメージ画像

住まい選びは楽しいもの。ついつい現在の家族の状態だけを元に、この家だったら今の自分達が楽しく過ごせそうだ、便利に過ごせそうだと考えがちです。しかし、賃貸物件ならともかく、持ち家となれば10年、20年、あるいはそれ以上住み続けることが前提となるでしょう。その間に子供は成長し、やがて独立します。自分達夫婦は年を取ります。場合によっては、自分達の両親と一緒に住むこともあるかもしれません。

住宅購入に際しては、これらの将来性まで考える視点が必要です。購入した後どのような変化が起こるのか、また変化に対応するためにはどんな家を購入すれば良いのかを考えてみましょう。

もしもの転居時に重要なのは「資産価値」

家を購入するときは、物件の「資産価値」についても考えましょう。基本的には、その家にずっと住むつもりで住宅を購入する人が多いでしょう。それでも人生先々何が起こるかわかりません。仕事で転勤があったり、双子が生まれて予定以上に家族人数が増えたり、親の健康状態や子供の通学の事情などで転居をする可能性もあります。転居の際に現住居を売却するにしても、賃貸に出すにしても、「資産価値」が重要になるのです。

 

住まいを買い換える場合は、その売却で得たお金を新居の購入資金に充てることになります。そのとき、資産価値が目減りしていて、希望金額よりも低い価格でしか売れなければ、思うような買い換えができなくなってしまいます。

 

このような事態を避けるためにも、購入する際には、資産価値が下がりにくい物件かどうかを検討しておきましょう。例えば、都市部や駅に近いなど、好立地である家や近い将来大規模開発の予定がある地域にある物件であれば、資産価値は下がりにくくなります。

 

また、こまめに家の手入れ(日々の掃除に加えて、適度な点検とメンテナンス)を行っておけば、資産価値を維持しやすくなります。築年数が過ぎても、老朽度合を抑える努力をすることは資産価値の目減りを防ぎますから、万が一売却することになったときに有利に住み替えられる可能性が高くなります。

家族人数の変化への対応を考える

間取り図、計算機などでの資産価値を計算するイメージ

現在夫婦と子供一人の三人家族が家を購入するときには、どんな家を買うべきでしょうか。ここでは家族の将来の姿を考えましょう。家族の人数次第で、必要な部屋の数は変わってきます。子供が大きくなれば個室が必要でしょうし、ライフスタイルによっては夫婦それぞれの部屋が必要な場合もあります。また両親と同居することになるかもしれませんし、何らかの事情で親族と一緒に住むこともあります。

 

では、家族の人数の増減に対応するには、どのような住まいが考えられるでしょうか。部屋数を増減するときのために、間取りの変更という視点で物件を見ます。まず、ツーバイフォー工法で建てられた家は、建物の強度を壁に依存しているので壁を取り払うリフォームは行いにくいです。しかし、木造軸組み工法の場合は柱と梁で建物の強度を出しているため、壁を取り払っても建物の強度に大きく影響しない場合があります。そのため壁を取り払いやすいのです。また二重床を採用しているマンションは、床と床の間に配線や配管があるので、間取りを変更しようとすると床の中の配線も変えなくてはいけません。

 

間取りを変更しやすい住戸構造として、「スケルトン・インフィル」があります。「スケルトン」とは柱や梁といった構造躯体、「インフィル」とは仕切りや内装を意味します。「スケルトン・インフィル」とは、この二つを分離した構法です。つまり、家の躯体(スケルトン)はそのままに、間取りや内装の変更が簡単に行えるようになっているのです。

 

大きめの部屋だったものを子供の成長に合わせて分割して、子供部屋を作ってあげたり、反対に部屋数が必要なくなったら壁を取り除いて広めの大きな部屋に変えたりというふうに、ライフステージやスタイルの変化に対応させながら住むことができるのです。

 

あるいは大掛かりなリフォームでなくても、ガイドレールとパーテーションによる簡易的な間仕切りなどが、一般住宅用にもあります。気に入った物件が必ずしも自由なリフォームができるとは限りませんから、このような設備追加が検討できるといいですね。

子供の独立後の暮らしを考える

子供が独立すれば、家に必要なのは夫婦二人の居住スペースだけです。そのときの余ったスペースはどう活用すればよいのでしょうか。

 

【夫婦二人で住み続ける】

子供が独立しても、夫婦二人で住み続ける人は多いです。子供にとって、いつでも帰れる実家があるというのはうれしいもの。子供部屋はそのままにしておき、帰省したときの寝室などに使うほか、まとめて一つの大きな部屋にして広めの来客用寝室にしておくというリフォームも考えられます。

 

【二世帯住宅に変える】

子供夫婦と同居して二世帯住宅として住むケースがあります。二つの家庭を分けるために、それぞれの家用の浴室やキッチン、洗面台などを設ける必要があります。二世帯間の関係性により分け方はさまざまありますが、将来そのような可能性があるなら、購入時に分離をイメージして物件選びをするといいでしょう。それによりリフォーム費用が抑えられます。

 

【賃貸にする】

家が大きくて夫婦二人には持て余すというときには、賃貸するという選択肢があります。家の一部を賃貸に出す場合は、明確に住戸を分ける必要があります。浴室やキッチン、トイレ、玄関も分けます。完全に分離した方が借り手がつきやすいと考えられます。改装費用はかかりますが、継続的に家賃収入が得られるので、老後の生活の支えになってくれます。

 

一方、住居を丸ごと賃貸に出し、自分達は駅近くのコンパクトなマンションなどに住み替える方法もあります。家賃収入で手頃で便利な賃貸物件に住むという選択や、退職金などの資金があるなら購入を考えるのもいいでしょう。

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