購入時に考えるべき住まいの「資産価値」

家模型と計算機で資産価値を考えるイメージ

念願のマイホーム購入。新たな暮らしのことを思えば、購入までの忙しさもどこかワクワクした気持ちでしょう。しかし、生活していくうちに、いずれマイホームを「売る」という状況は現実的に起こり得ることです。そのときに「なかなか売れない」「思ったより安値でしか売れない」など、売却自体が思うようにいかないと、その後のいろいろな計画が崩れてしまうかもしれません。

 

住まいを購入する時点で将来の売却のことまではイメージしにくいものですが、もしものときのために「資産価値」という観点で物件選びをすることも大事です。

なぜ住まいの「資産価値」を考えるのか

念願のマイホーム。きっと住み心地が良く、家族で楽しく長く暮らす大事な住まいとなることでしょう。しかし、いつまでも同じ生活が送れるわけではありません。家族がそれぞれ年齢を重ね、ライフスタイルが変われば、状況は今と大きく変わっていきます。

 

子供が増えて子供部屋が足りなくなれば、現居が手狭に感じて「広い家に引っ越したい」と思うかもしれません。また、子供が結婚して独立すれば、夫婦二人には広すぎると、丁度いい大きさの家への住み替えを検討することもあります。仕事で転勤、実家への転居など、住み替えが必要になって今の住まいを売却するケースはたくさんあります。

 

このように、持ち家を売却することになる可能性は誰にでもあります。そのとき、資産価値が低い家だと思うように売れずに困ってしまうかもしれません。家族の状況の変化などに対応しながら、なんとか住み替えせずに暮らし続けるという選択はもちろんあります。それでも、やはり資産価値の高い住まいを持つことは、さまざまな状況での選択肢が増えますし、それによる安心感が得られるという意味でも、とても重要なのです。

資産価値とは何か

魅力的な売家のイメージイラスト

資産価値の高い物件とは、客観的な評価が良い物件のことを言います。そのような物件は、売る状況になったときに需要が高く、売れやすいということになります。では、どのような住まいが資産価値を高く維持できるのでしょうか。

 

【構造がしっかりしている家】

当然のことですが、人が住み続けることで住宅そのものは傷んでいきます。しかし、そもそも耐久性や機能性に富んでいて、構造的な部分で「丈夫な家」は劣化具合も緩やかと言えるでしょう。さらにメンテナンスもしっかり考えて施していれば、「築年数の割にきれい」と、より高い評価を受けられる可能性が高くなります。

 

【利便性が高い立地】

物件の周辺環境は資産価値を左右します。駅まで数分程度という利便性が高い立地なら、築年数が経っても人気が高く、資産価値が下がりにくい傾向があります。一般的に市街地は鉄道駅を中心に発展していくので、交通アクセスが便利なだけでなく、役所や学校、買い物施設、病院などが近くにある生活のしやすさから、需要が下がらない物件となりそうです。

 

【安心して住める物件】

災害のときに被害に遭いにくい立地も、資産価値が高い物件の条件の一つ。地盤が弱い土地は揺れによって建物に与えるダメージは大きくなると考えられます。また、水はけの悪い土地は大量の雨が降ったときに浸水被害の可能性があるでしょう。山際や傾斜地は、地層・地質の具合によっては、山崩れや地すべりの危険性があります。このように、自然災害に対する安全性の観点で見たときに、「ここなら安心」と考えられる地域では、住まいの資産価値も高くなります。

一戸建て・マンションそれぞれの資産価値

マイホームを買うときに、「一戸建てにするか、マンションにするか」で悩む人は多いかと思います。

 

一戸建ての良さは、建物が劣化しても最終的には土地が残るところ。立地が良ければ、「土地」として売却できるのは、資産価値としてもとても有利です。また、建物が古くなれば、持ち主の判断で改築したり、建て替えしたりできるというメリットもあります。

 

一方、マンションは、鉄筋コンクリート・鉄骨造で頑丈。耐用年数も長く、構造面で強固だという特徴があります。一般的に駅に近く利便性の高い暮らしができるのがマンション住まい。都市部でアクティブに暮らしたい人には、マンションの立地は魅力的と言えるでしょう。

 

利便性ではマンションに軍配が上がり、資産価値が高そうな気がするかもしれません。しかし、それはケース・バイ・ケース。郊外にある一戸建てでもバス路線が充実している、大型商業施設が近い、自然豊かな公園があり静かで落ち着いているなど、注目度の高い魅力があれば、資産価値としては高めと考えられます。

 

一戸建て、マンション、どちらを買うにしても、立地・建物の魅力、周辺環境といったいくつもの点に目を向けて、一般的な観点で資産価値が高いかどうかを見極めるようにしましょう。もちろん、自分と家族が暮らしやすいか、気に入ったということが最も大切ですので、それと合わせて後悔しない住まい選びをしてください。

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