一戸建ての新生活について

庭から見たテラス付きの一戸建て画像
一戸建てを購入して新たな暮らしを始めることは、満足感と期待感がいっぱいでなんともワクワクするものです。しかし、これからの新生活を快適で豊かなものにするためには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。入居前に済ませておきたいことや、引越しに関する注意事項、そして一戸建てならではの留意点を確認していきましょう。

入居前に済ませておくべきこと

一戸建てでの新生活を円滑にスタートさせるために、入居前に済ませておきたいことをしっかり確認しておきましょう。

 

【自治会・町内会への参加検討】

一戸建てには、マンションのように区分所有者によってつくられた管理組合の活動や、管理会社による建物の維持・修繕・管理に関するサポートはありません。その代わりに地域住民が運営する自治会や町内会によって、ゴミ集積所の管理や清掃、災害時の備えなど、その地域ごとの活動やルールが存在します。

 

マンションの管理組合は、区分所有法により区分所有者の加入が義務付けられていますが、自治会や町内会への加入はあくまで任意です。そのため、個人の意思で加入しないという選択をすることもできます。

 

ただ、一般的には自治会等がゴミ集積所の場所を決め、自治体(市区町村など)に届け出ることでゴミ収集が行われています。また、自治会等は集積所の清掃・維持管理を行っているので、自治会に加入していなければゴミ集積所を利用させてもらえないということも、一例として起こり得ます。従って、地域に早く溶け込み、円滑なご近所付き合いを進めていくことを考えるならば、自治会や町内会への加入は入居前の時点から前向きに検討することをおすすめします。例えば、家庭の都合で輪番制の役員がどうしてもできない、などの事情がある場合は、とりあえず相談してみるといいでしょう。

 

また、近隣の人たちとのつながりができれば、お互いの防犯や防災面でも安心度が高まるというメリットも生まれます。管理組合があるマンションと違い、一戸建ては居住者自身でセキュリティー面を備える必要があるため、近隣住民同士で補完し合うということはとても有効です。

 

【ライフラインに関する手続き】

電気・ガス・水道といったライフラインを使えるようにするには、基本的にすべて入居者自身が手配する必要があります。

 

購入時に不動産会社(宅地建物取引士)から交付・説明される重要事項説明書には、ライフラインの種類・仕様などが記載されていますから、入居日が決まったらすべて早めに手配することを心がけましょう。

 

水道については、使用開始の届け出をして、開栓は入居者自身が行います。電気については、自分の暮らしに合った契約プランを検討して、依頼先の電力会社に申込みます。事前に申込みをしていれば、基本的には入居当日に現地にてブレーカーを上げれば使用できる状態になっているはずですが、もしも通電していない場合は電力会社に確認しましょう。ガスについては、水道・電気と違い必ずガス会社の係員が開栓作業を行います。その際は入居者の立ち合いが必須なので、事前に申込み連絡をして日時を決めておかなければなりません。

 

以上のように、それぞれ事前申込みが必要になるので、忘れずにかつ余裕を持った日程で連絡しましょう。特にガスは係員の来訪日時調整があるので、2週間以上前の連絡を心がけましょう。

 

【電話・インターネットの手続き】

固定電話、携帯電話の使用に際しては、それぞれのサービスの提供会社に連絡します。引越し前と同じ会社を利用する場合と契約を切り替える場合では、当然手続きの手順が異なります。新規の契約手続きは時間がかかることがあります。

 

インターネットの使用については、回線会社とプロバイダの二者に連絡が必要です。継続使用(住所変更)か新規契約(または切り替え)かで手続きの手順は異なります。また、住居の環境により、利用できる回線会社が制限されることがあるので、利用回線については購入時に必ず確認しておきましょう。

 

上記すべての契約について、使用開始とともに旧宅での使用停止手続きが必要になります。こちらも忘れずに行いましょう。

入居時に気を付けること

家とトラックの模型での引越しイメージ画像

引越し・入居はとても忙しく、疲れもします。荷物の搬入後は、住空間を整える作業にさらに労力がかかります。しかし、このときにやるべきこと、知っておくべきことは他にもあるので、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

 

【あいさつ回り】

一戸建てでのあいさつ回りは「向こう三軒両隣」が基本と言われていますね。とは言え、立地状況によって異なりますし、隣がマンションの場合や事業所の場合などでも迷うところでしょう。考え方としては、暮らしの中で互いに顔を合わせたときにあいさつをする関係になるだろうなと想像できるご近所には、最初のあいさつ回りをした方がいいのではないでしょうか。

 

引越し当日は、トラックを自宅の前に停めて作業することになるので、道路の往来の邪魔になるほか、特に子供やお年寄りにとっては危険にもなります。少なからず騒音も出ますから、近隣に迷惑がかかります。そう考えると、あいさつ回りはできることなら引越し前にできるといいですね。ただ諸事情から難しいのなら、引越し後にお詫びかたがたあいさつするというのはもちろん可です。

 

【ゴミ出しについて】

引越しの際にたくさんのゴミが出ますが、そのゴミを一気に出すことはやめましょう。地域のゴミ捨て場は、スペースが限られますので、大量のゴミ出しは迷惑になります。引越しで出たゴミは小分けにして出すようにしましょう。どうしても一気に捨てたい場合は、居住区域内のゴミ処理場に持ち込んで処分してもらうことができます。ただし、その際は分量に応じた料金がかかりますし、確実に規定の分別をしておく必要があるので、持ち込む前に必ず確認しましょう。

 

そもそもゴミ出しには分別や使用するゴミ袋などについて地域のルールがありますので、事前に確認し、ルールに則ったゴミ出しをしましょう。

マイホームの維持・管理について

一戸建てを買って住むということは、所有権を得ると共に責任も発生するということです。破損や劣化が起きれば、自分で手はずを整え自費で修繕しなければなりません。ですから、これからは全部自分でマイホームを維持管理していくのだという自覚を持つことが必要です。

 

例えばマンションの場合は、共用部分のエントランスの電灯が切れたり、外構の植栽に剪定が必要になったりしたときは、管理組合が区分所有者から徴収している管理費を使って、管理会社が作業手配をしてくれます。しかし、一戸建てではすべて自分でやることになるわけです。

 

特に大きな費用がかかる修繕に関しては、マンションでは長期修繕計画をしっかりと立てた上で、修繕費の積立てが行われていることから、実際に修繕工事を行うときに、金銭的にも精神的にも負担に感じることは少ないと言えます。一方、一戸建ては、家屋そのものはもちろんのこと、駐車スペースや門扉、塀、植栽といった外構回りまで、すべてに自分で手をかけていくことになります。

 

将来的な修繕箇所としては、屋根の葺き替え、外壁の塗装、構造部分の腐朽や蟻害の検査などが考えられます。それぞれ施工費は安い金額ではないので、自分自身で修繕費を積み立てておくなど、計画的かつ主体的な備えが必要になります。

 

必要なときに費用が捻出できないと暮らしに不便が生じますし、持ち家の資産価値を大きく下げることにもなります。

 

一戸建てを購入・居住するならば、自分自身の責任において、大切なマイホームをしっかり維持管理していくのだという明確な意識を持っておきましょう。

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