購入物件の希望条件を整理する
考えられる希望条件を挙げていく
「閑静な住宅街の広めの住まい」、「通勤・生活に便利な立地の物件」、「便利だけど自然にも近くて子育てに適した家」など、住宅購入にあたっての希望条件は人それぞれです。ただ、「そろそろマイホームを買うのもいいかな」というおぼろげなイメージだけの場合、折込みチラシを見たり、インターネットで物件情報を検索したりする程度にとどまり、なかなか購入に向けての行動が具体化しないことがあります。
その主な原因は、「明確な希望条件を整理していない」、「購入条件の判断基準がない」ことにあります。その状態では、もしも自分にとってベストな住宅に出合っていたとしても、見逃してしまうかもしれません。
そこで最初の作業として、希望条件をしっかり考えて明確にすることを行います。まず「これだけは譲れない」という条件を出していきます。多くの人は複数の希望条件を挙げるはずですから、その点は気にせず思いついたものを列挙していきましょう。
例えば、
・駅から徒歩10分以内
・部屋数はリビング以外に三つほしい
・保育(幼稚)園・小学校にできるだけ近い場所
・できるだけ静かな住環境
といったものです。この段階では、多少「無理があるかな」と感じるような条件でも構いません。精査は後工程でやるので、まずは自分(たち)がどんな住宅を欲しいのかを理由付けをしながらしっかり考えてみましょう。
希望条件に優先順位をつける
希望条件を列挙したら、次に優先順位をつけていきます。絶対に譲れない条件と譲歩可能な条件を取捨選択するイメージです。こうすることで、自分が望むマイホーム像が具体化され、住宅を購入する意欲も高まっていきます。家族がいる場合は、家族それぞれの希望条件を挙げて、同じ手順で優先順位をつけていきます。
この「優先順位付け」は、とても重要です。この後、数ある物件情報の中から候補物件を見つけると、現地見学に進むことになります。現地で新築やリフォームされた実物を見ると、紙面や画面での情報と違いとてもきれいに見えるものです。さらに街の雰囲気や広さ、機能的な設備、眺望なども魅力的に感じ、例えば毎日の通勤を楽にしたいから「駅から近い住まいが希望」だったはずなのに、「少しくらい遠くてもなんとかなるよね」とその場の雰囲気で本来の最優先条件を下げてしまうことが起こり得ます。そしてこのような場合には、得てして購入後に「やっぱり駅から近い方がよかった…」と思ってしまうものなのです。
このように候補物件を絞り込む中で、もしも気持ちが揺らいだときに正しい判断ができるように、その理由とともに希望条件の優先順位を明確にしておくことが必要なのです。
希望条件を考えるときに知っておくべきこと
希望条件を考えるとき、あるいは優先順位をつけるときには、「変えられないもの」を頭に入れておくといいかもしれません。例えば、立地、日当たりの向き、周辺環境、土地面積、マンションの専有面積などです。住んでから変えることができないこれらのものをどの程度重視するのか、この時点できちんと考えておくことが、後悔のない住み替えにつながります。
また、将来の暮らしの変化も、具体的に予測しておくことが必要です。家族が増える可能性とそのときの部屋数を考える、あるいはいずれは実家に戻るかもしれないならば、売却や賃貸を視野に入れた物件選びをするなどです。
あれこれ考え合わせるのは大変ですが、多くの人は予算の制約がある中で最良の住まいを探していくことになるので、丁寧に希望条件を精査して、満足して住み続けられる住まい購入を実現しましょう。
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